第3回「お金のこと」
デリヘル談義

 第1回、第2回と全体的な概説を書いた。これ以降は、それぞれのテーマごとに書いていくことにする。今回はお金の話。
 既に述べたとおり、料金は店によって異なるものの、200円×分という計算式が相場であろうと思う。これは相場であって、けっして平均ではないので注意してほしい。中には「高級」をうたって利用料金を高くしているところもある。その実態は、利用者の主観に関わるから何とも言えないが、私に言わせれば、どこも似たようなものである。チラシを見た人向けに、初回限定の特別価格が設定されていることもある。もちろんこれは、そのお店を初めて利用する人しか使えない。また、インターネットを見た人だけの割引を設定しているところもある。
 けっして安くはない金額だが、では、支払った分はどうなっているのだろうか。これも店によるといえばそれまでだが、おおよそのところは決まっている。まず、女の子の取り分が約50パーセントである。店によっては60パーセントぐらいのところもあるらしいが、50パーセントが多いように思う。別の機会に触れるが、女の子の取り分は100円×分ということになる。お金がないから風俗へという女の子にとって、これは満足のいくものだろうか? 後で改めて考えたい。
 残りの約半分がお店の取り分ということになる。その中には、ドライバーやフロントの人件費、広告宣伝費、通信費、消耗品費などが含まれる。ドライバーやフロントはアルバイトで賄われているが、とくにドライバーは短期のアルバイトである場合が多い。携帯電話と車は自分の私物を提供しなくてはならない。そのため、店は車や携帯を用意しなくてよい。必要があるのは、フロント用の携帯電話だけである。フロントが交替したときは、携帯電話も後継者に譲られる。それによって、やっている人は違うが店は存続ということになる。フロントはいわば営業担当で、客と最初に接するところであるから、接客に気を遣うらしい。また、タクシーの配車センターのように、誰が今仕事中で、誰が何時から出金してくるかなどを把握し、手早く女の子を届けなければならない。そのためにさまざまな工夫がされているが、多くの場合、このあたりは企業秘密となっている。
 広告媒体としては、夕刊紙などへの三行広告、ピンクチラシ、インターネットが挙げられる。風俗営業法によって、広報にもたくさんの機制があるため、違法にならないよう注意を払う必要がある。通信費は、インターネットで受付をやっている場合はインターネットの費用が必要となるが、それ以外の場合はフロント用の携帯電話の料金である。
 消耗品は、うがい薬、ローションなど、女の子が家庭訪問の際にもっているもので、これは原則店から支給される。それ以外に、オプションでコスプレを要求された際のコスチューム、トラブルを防止するためのみかじめ料などが必要経費となるだろう。このあたりは、お店の経営のところで改めて述べることにする。
 客が一万払うからといって、女の子は半分ぐらいしかもらえない。一旦は女の子の財布にはいるが、それが全部その子のものではない。利用者側も、そのことは知っておく必要があるだろう。もちろん、女の子の方もである。(とくに、これから仕事を始めようとしている人は)



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